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過去の記事で新幹線運転士の免許取得までの流れについて紹介しました
免許取得時の以外にも、3年に一度ある免許更新に「内田クレペリン検査」を再度受けなくてはいけません。。
しかも、この検査に2回落ちてしまうと、運転士の職を失うことになるので、私たち乗務員にとっては死活問題なのです!
今回は「内田クレペリン検査とは?」「検査のやり方」「対策方法」について紹介します
内田クレペリン検査とは?
内田クレペリン検査とは、ドイツの精神医学者『エミール・クレペリン』の研究を参考に、日本人の『内田勇三郎』によって開発された検査です
その歴史は90年と永く、教育や産業、医療現場など幅広い分野で用いられ、年間70万人が受検するほど、現在でも利用価値の高い検査として有名です!

この検査の最大の特徴は『作業』だけを使って受検者の特徴を観ることが出来ることです!
筆記試験や面接試験では、事前に傾向と対策が出来るので、回答内容に回答者の意図が入り込んでしまい、正確な特徴を捉えることが出来ません。。
ですが、内田クレペリン検査では、決まった作業を行うだけで、受検者の気づかないような特徴まで知ることが可能です
検査を行うことで受検者の『作業量』『誤答数』『作業曲線』が分かります!

これらの3つのポイントを総合的に判定して、受検者の潜在的な特徴を予測することが出来ます!
検査のやり方
検査方法は、非常にシンプルです!
検査用紙には、下のようにランダムな数字の羅列が無数に書かれています

試験開始の合図で、一番上段左端から右端にかけて『隣り合う数字を足し算(式は記入不要)』、その答えの『1の位』を足し算した数字の『間』に記入、あとはそれをひたすら繰り返します!

一定時間(1分程度)経つと試験管の「次!」と合図するので、その段の計算をやめ、ひとつ下の段の左端から右端へかけて、再び計算を続けます

もし、間違えて記入した場合は、消しゴムは使わず、間違った答えを斜線で消して、横に正しい答えを記入します

検査は「前半約15分間」行い、5分間の休憩を挟んで、「後半約15分間」の計35分で行われます
検査の結果発表
結果は、当日中に職場から伝達されます
合格すれば、「学科試験」が後日実施され、運転取扱のルール、車両に関する知識を問われます
学科試験合格後は、運転免許取得時行なった『技能試験』を受験、合格すれば晴れて『免許更新』となります
万が一、不合格だった場合、1週間程度空けて、再度クレペリンを受検することになります。。
しかも、2回目のクレペリン試験にも不合格だった場合は、運転士の職名を失い、駅員や事務系統の部署へと異動となります。。
平均すると、2〜3年に数人が、2回目も不合格となり他職場へと異動となっています。。
なので、免許更新時が近づくにつれて、緊張感増す非常に恐ろしい検査だと言われています
クレペリン検査の『対策方法』
在来線運転士から数えると、クレペリン検査を10回以上合格した私の経験を踏まえて、『内田クレペリン検査の対策方法』を紹介します!
事前に練習する
『クレペリン 練習用紙』と検索すれば、練習用の用紙が印刷出来ますので、実際の試験と同じ条件でやってみましょう!
意外と、30分間計算し続けるのは、肉体的にも精神的にも意外と負担がかかるので、一度経験しておくことで不安解消に繋がります!
特に初めて受検する方は、ぶっつけ本番で挑むのだけはやめておきましょう!!
クレペリン検査の前日は、しっかり休養!
当然ですが、深酒や寝不足状態では、計算スピードや書くスピードも遅くなって、作業量が減りますし、計算ミスの確率も増え、検査結果に影響を及ぼします。。
丁寧に数字を書くことを心がけましょう!
急いで書くことに意識が向くと、書き間違えによる修正や計算ミスをすることが増えますが、丁寧に数字を書くことを意識すると、間違えやミスが軽減します!
結果、丁寧に書くほうが計算量も増加します!
エンピツに慣れておく
クレペリン検査は基本的に『エンピツ』を使います
ほとんどの方が普段使い慣れていないと思うので、数日前からエンピツで書く癖をつけておいたほうがいいかもしれません!
後半15分間が大事!
過去に不合格になった人の話では『後半の15分間があまり出来なかった』というのを耳にします!
なので、合間の休憩の5分間を使って前半の疲れをいかに軽減させるかが肝です!