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今回は、普段は絶対に知ることの出来ない新幹線運転士の『運転士の仕事内容』、『勤務体系』や『日々のスケジュール管理』について解説したいと思います!
新幹線運転士の勤務体系
新幹線運転士の勤務は大きく『日勤行路』と『泊まり行路』の2種類に分けることが出来ます!
『出勤した日に退勤する勤務』を意味し、『一日勤(いちにっきん)』と呼んでいます
例:1月9日に出勤したら、1月9日中に退勤する
『出勤した日の翌日に退勤する勤務』を意味し、『一徹(いってつ)』と呼んでいます
※『徹』は『徹夜』から由来
例:1月9日に出勤したら、翌日1月10日中に退勤する
出退勤の時間帯や労働時間は様々なパターンがあり、日勤行路であれば普通のサラリーマンのような『9時出勤18時退勤』や、『12時出勤21時退勤』、泊まり行路は『10時出勤、翌日11時退勤』などがあります
日勤行路の労働時間は『7時間程度』、泊まり行路は『14時間程度』になります
毎月の運転士のスケジュールは『二徹二休』の繰り返しが基本になります
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
泊行路 | 〜 | 公休 | 泊行路 | 〜 | 泊行路 | 〜 |
特休 | 公休 | 泊行路 | 〜 | 泊行路 | 〜 | 特休 |
泊行路 | 〜 | 泊行路 | 〜 | 特休 | 公休 | 日勤行路 |
日勤行路 | 泊行路 | 〜 | 特休 | 公休 | 泊 | 〜 |
泊行路 | 〜 | 泊行路 | 〜 | 特休 | 公休 |
全運転士の勤務は、自職場の係長がこれを基本にして『トータルでの労働時間が適正か?』『退勤してから、次の出勤まで休養時間が確保されているか?』『年間の休日数や年休の消化具合』など様々なルールを満たしていることを確認して、2種類の行路を組み合わせて作成します!
基本的には、あらかじめ決められた勤務通りにスケジュールが進みますが、稀に体調不良によって急遽、他の運転士が休んだ場合、休日であっても『呼び出し』があることがあります

もちろん用事があれば、断っても問題ありません!
しかし、呼び出しに応じて出勤した場合、通常の出勤に比べて『割増手当』が発生する上、係長からの印象も良くなります!
『日勤行路』と『泊まり行路』は列車に乗って乗務する以外にも、職場や車両所での待機するだけの業務も存在します!
この業務の担当になった場合、列車遅延や他の乗務員の体調不良に備えて、職場や車両所ですぐに出動できるように待機しておく必要があります
新幹線運転士は比較的、年休の消化率が高いと思います!
GWや夏休み、年末年始などの繁忙期は流石に年休が入りづらいが、その代わり特休や公休で振替てくれるので、希望した日はしっかり休日になります!
新幹線運転士のスケジュール管理方法
普通の会社員のように、平日決まった日や時間に出勤するわけでは無く、上記のスケジュールのように『平日休み』『土日出勤』なんてこともよくあります

もし、出勤日を休日と勘違いすると、他の運転士を急遽呼び出し手配しますが、最悪の場合、列車を運休させる事態になりかねません。。
残念ながら、年に数回、出勤時間を間違えたり、出勤日を勘違いすることがあります。。
なので、新幹線運転士にとって、日々のスケジュール管理は非常に重要な仕事の一部と言えます!
スケジュールの管理方法は、毎回勤務終了時に、次回勤務の『日付』『出勤時間』『担当行路番号』を係長と相互に確認します!
確認の仕方は、各運転士ごとに違い、基本的には『市販のスケジュール帳』で行いますが、最近はスマホのスケジュールアプリで確認する方もいらっしゃいます
国鉄時代、民営化直後は『専用のスケジュール帳』がありましたが、経費削減から現在では支給されなくなりました。。

新幹線運転士の仕事内容
新幹線運転士は「乗務員乗務票」に記載された内容通り、列車に乗務したり作業をします
乗務員乗務票には、自分の担当列車、車両所での作業内容、翌朝の起床時間など様々な作業内容が記載されています
昔の乗務票を参考に『新幹線の1日の仕事内容』を見ていきましょう!

この日は『539行路』担当で、行路数はダイヤ改正ごとに若干変わりますが、ひとつの職場に対して『30行路程度』あります
539行路の出勤は『16時33分』、退勤は翌日の『13時24分』の泊まり行路です
出勤時間(16時33分)までに職場に到着し、制服に着替えて、乗務に必要な情報を掲示や資料を見て確認、乗務に必要な持ち物(セキュリティー鍵、タブレット、連絡用スマホ、各種記録用紙など)、泊まり道具(着替え、洗面用具、充電器など)を乗務カバンに収納します!

出勤時間になったら、アルコール検知器で呼気に含まれるアルコール量をチェック、当直係長と持ち物の確認、担当行路の注意点、乗務に必要な知識の確認を行います
もしこの時、呼気に含まれるアルコール量が基準値(0mg)以上あった場合は『乗務不可』となり、代替えの乗務員が乗務します!
最初は『647A』から担当なので、17時03分30秒までに新大阪駅のホームに出場します
担当列車がホームに到着したら、運転台に乗り込み、スイッチ類の整備を行なって17時16分に発車します
647Aは新大阪〜広島駅まで担当、各駅停車なので乗務票を確認しながら時間通りに運転します!
【実は自動運転じゃない!現役新幹線運転士が教える、『新幹線の仕組み』と『運転方法』!】
広島駅に到着したら、次の『664A』(20時57分30秒)まで休憩です
休憩時間は、基本的にあまり時間がないので駅構内の飲食店や、駅周辺のチェーン店(やよい軒など)で食べることが多いです!
664Aは食後の運転になるので、眠気との戦いになりますw
運転中の眠気覚ましには『ミンティア』や『ミント系の飴』などをよく食べます
それでも疲れが溜まっていて、めちゃくちゃ眠い時は非常手段で『エスタロンモカ』を服用ことがあります!
一時的には、効果は抜群ですが、常用するのは危険なので、用法・用量は守ってお使いください!
664Aは新大阪駅まで営業列車として運転、その後は車両所まで運転して1日目の乗務は終了です!
乗務終了後は、紛失、盗難防止の観点から『セキュリティー鍵』や『乗務カバン』を鍵のかかるロッカーに収納します
現在、仮眠室は『1人1部屋』準備されているのですが、国鉄時代は大部屋で雑魚寝していたそうです。。
就寝時は必ず、翌日の起床時刻を『起床装置』に入力します!

運転士に限らず、鉄道会社に勤務している人全員が『時間管理』については徹底して教育されています!
仮眠時間は平均5〜6時間くらいは確保されていますが、行路によっては3時間程度しかないこともあります。。
翌日起床後、2603Aの『運転整備』から始まり、広島まで運転します!

運転整備は、新幹線の運転免許取得時の試験項目になるほど重要な作業で、チェック項目200個以上あります
この行路は1度だけしか運転整備がありませんが、多い行路だと3回行うこともあります
622Aはこの行路の最後に担当する列車になります
最後の列車はどの行路においても、翌日からの疲れ、睡眠不足、気の緩みのせいで、時間計算ミス、停止位置不良などが起こりやすいので特段の注意を払って乗務しなくてはいけません!
新大阪駅到着後は、乗務報告書作成、貸与品返納、次回勤務の確認をします
乗務報告書には、全列車の運転状況(遅延時間や理由)、車両不具合発生時は処置内容、乗務中に自分が気付いた他の人に水平展開すべき事象などを記入します
最後に、セキュリティー鍵が全て揃っているかのチェック、貸与品の返納を行い、当直係長と『次回勤務』の確認を相互に行い、乗務終了となります!
乗務終了後は何もなければ帰宅しますが、年間に決められた時間おこなうシュミレーターを使った『異常時対応訓練』、安全推進や技術向上を目的とした『グループ活動』などあれば参加したりします!

まとめ
今回は、新幹線運転士の仕事内容、勤務体系、スケジュール管理について紹介しました!
新幹線は1日『約200本』、全ての列車の遅延時分を合わせても『数分以内』です
これらを毎日続けてられているのは、運転士のスケジュール管理だけで無く、関係社員の勤務管理などの協力があってのことです