最近、テレビ番組『新幹線についての特集』を観たのですが、そこでは語られていなかった『新幹線運転士の1日の勤務内容』って気になりませんか?
- 1日のスケジュール内容
- 新幹線の運転方法
- 休憩時間の過ごし方
- 泊まり勤務の時の宿泊先
今回は、『とある泊まり行路の出勤〜退勤までの流れ』について解説します!
運転士の仕事内容は全て『行路』として決められている!

『行路』とは、運転士または車掌の乗務列車及び、乗務予定を指定すること。
『行路表』とは、その内容が記載された表を指します。
運転士は『運転士行路表』、車掌は『車掌行路表』といいます
Wikipediaより引用
行路は『泊まり行路』と『日勤行路』の2種類に分けられます。
出勤から退勤まで『2日間』に渡って乗務する行路。(10月11日出勤なら、退勤は翌日『10月12日』)
基本の勤務時間は『14時間20分』ですが、行路内容によって前後します。
出勤した日のうちに、退勤する行路。(10月11日出勤なら、11日のうちに退勤)
基本の勤務時間は『7時間10分』ですが、行路内容によって前後します。
このような行路のパターンは『数十種類』存在し、各運転士は毎月、自分の勤務に指定された行路を確認して乗務をします!
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
泊行路 | 〜 | 公休 | 泊行路 | 〜 | 泊行路 | 〜 |
特休 | 公休 | 泊行路 | 〜 | 泊行路 | 〜 | 特休 |
泊行路 | 〜 | 泊行路 | 〜 | 特休 | 公休 | 日勤行路 |
日勤行路 | 泊行路 | 〜 | 特休 | 公休 | 泊 | 〜 |
泊行路 | 〜 | 泊行路 | 〜 | 特休 | 公休 |

運転士は、ダイヤ乱れ時以外は基本的に、『行路表』に記載されている内容通りに乗務しなくてはいけません!
- 出勤時間、起床時間(泊まり行路の場合)、退出時間
- 自分が担当する列車の情報(編成、両数、形式など)
- 各駅の到着時刻や到着時刻
- 出場するホームの番線、ホーム出場時間
- 休憩時間
天災などのダイヤ乱れが発生すると、頻繁に上記の内容が変更されるので、変更後の内容にその都度自ら書き換え、常に最新の情報にしておく必要があります!
起床から出勤までのルーティーン

運転士の行路のパターンは数十種類あり、出勤時間は全て異なります!
7、8時からの出勤や、15時夕方近くの遅い出勤まで様々で、毎月指定される行路の出勤時間をしっかり把握しなくてはいけません!
私は、どの出勤時間であっても朝6時くらいに起床し、準備しています!
朝食のメニューは、毎日ほぼ同じで、以前紹介した『業務用スーパー』の冷凍食品、台湾B級グルメ「ツォンジヨゥピン」と、ヤクルトの『ガラクトオリゴ糖入り黒酢』です。
黒酢は最近、血圧が高くなったことが気になり飲むようになりました。
泊まり勤務で不規則な生活になり、体調を崩しやすいので、なるべく体に良い物を食べるようにしています!


朝食後は、泊まり勤務中の『昼ごはん』と『晩ごはん』の弁当を用意します。
基本的に毎回同じで、サーモスのフードコンテナで作る『おじや』を食べています!

通勤中はリラックスした状態で、少しでも疲れを溜めないため、職場に着くと『制服』に着替えるので、仕事モードに切り替えるためにも、あえて『私服』での通勤にしています。
職場到着から列車乗務までのルーティン

職場には、出勤時間の『1時間前』に到着する様にしています。
到着後、制服に着替えを済ませて、仕事用カバンとは別に貸与されているサブバックに泊まり道具を詰め込みます。
サブバックに入れるのは、洗面用具、飲み物、弁当、スマホ充電器、雨具、非常食を入れています。
仕事用のカバンの中には、会社の規則で決められた物を入れておかなくてはいけません!
- 各種マニュアルが入っている業務用タブレット
- 業務用携帯電話
- ヘッドライト
- モバイルバッテリー
- 乗務中に変更内容を記載する書類
- メモ用紙
タブレットには各運転士で自分に必要な資料、列車故障時の修理マニュアル、天災等の異常時マニュアル、お客様案内のアプリなどがが入っています。
業務用携帯電話は『運転士、車掌、車内販売員、警備員、指令所など連絡が出来る専用アプリ』がインストールしてあります。
カバン整理後は、乗務に必要な掲示を確認し、出勤時間になったら、当直へ行って行って『健康状態の申告』と『アルコール検査』をします。

アルコール検査は非常に厳しく行われ、もし呼気にアルコールが検知された場合は、飲酒状態で乗務することとなるため、その日は勤務出来ず、帰宅させられます。
そうなると、ボーナスカットなどの重いペナルティを受ける事になります。。
アルコール検査後は、当直と乗務に必要な情報と携帯品を相互に確認して、担当する列車の到着時間までにホームに出場します!
新幹線の運転方法、休憩中過ごし方、宿泊先の過ごし方
新幹線は『自動運転』だと思われているようですが、私たち運転士が手動で運転しています!

出先での食事は、私の場合毎回『弁当』ですが、月に一回贅沢に外食することがあります。
しかし、好きな物が食べられるわけではありません。
運転中はトイレに行けないので、お腹の壊しやすい生モノ、辛いものなどの刺激物は避けています

休憩時間の過ごし方は人それぞれで、同僚と会話、昼寝、読書、買い物など様々です。
しかし、休憩時間であっても、次の乗務時間を確認して、アラームを設定するなど、出場遅延をしないように時間管理を行わければなりません!
出先の宿泊施設は、風呂や休憩スペースが完備、寝室は個室なのでゆっくり眠る事が出来ます。
仮眠時間は、行路によって異なりますが、『平均6時間』くらいです。
寝坊して列車を遅延させないために、翌日の起床時刻を『専用の起床装置』入力してから就寝する決まりになっています!

新幹線運転士が乗務完了後に行うこと

翌日の乗務から職場に帰着したら、『運転中の報告書提出』『貸与品を返納』『次回勤務の出勤時間を上司と相互確認』して、乗務完了となります!
乗務終了時間は、早ければ朝7時、遅い行路だと昼13時と結構バラツキがあります。
乗務終了後は、サービスや運転技能を向上を目的としたチームがいくつかあるので、出席して自己研鑽に励んだり、年間決まった時間行う定期訓練などがあります。
まとめ
新幹線の運転士は、基本的には大きな変化のない単調な仕事なので、慣れや惰性で仕事をしてしまいがちです。
ですが、運転士はお客様の命を預かり、当たり前の事を毎回同じ様に行う難しさを感じられるやりがいのある仕事だと思います。
将来、運転士の仕事に従事したい方の参考になったら嬉しいです。